Premiereでプロキシが作成できない!
そういう場合はQuickTime形式で作成しましょう。
本記事ではAdobe Premiereでプロキシを作成する方法と作成できない場合のトラブルシューティングについて紹介します。
Adobe Premiereのプロキシとは?
少しITに詳しい人であれば、プロキシというとWebブラウザの中継サーバーのことだと思うかもしれませんが、Premiereにおけるプロキシは違います。
Premiereにおけるプロキシは「4K動画などの高画質・大容量の動画から作成した動画編集プレビュー用の低画素・低容量の動画のこと」です。
proxyという単語は「代替」という意味
プロキシサーバーもクライアントの代替としてWebサーバーに接続しているので意味的には同類
4K動画などの動画は高画質であるがゆえに再生だけでもPCに負荷がかかりますが、その上動画編集作業を行うとPCへの負荷は大きくなります。
そうなると、動画編集のプレビューを行うときに、映像がカクカクしてまともに編集できなくなります。
そこで、元の高画質動画から低画質な動画を作ってそれを代用(プロキシ)してプレビューに利用することでPCへの負荷を減らすことができ、スムーズなプレビュ再生を可能にします。
動画編集技術を身に着けよう!
最強の動画編集ツールと言えば、Adobeが出している動画編集ソフト「Premiere」です。
それなりに値段も高いですが、Premiereの右にでるものはないほど高機能でプロも利用しているソフトです。
こめやん
最近は手軽にフルHDや4Kなど高画質な動画撮影が可能で、3DCGなどの作成も簡単にできるようになりました。
十数年前と比べて動画が表現の媒体としてより一般化してきています。そういう時代なので基礎的な動画編集について知っておくと役に立つと思います。
こめやん
プロキシの作成
それでは実際にプロキシを作成する方法を説明します。
まずは、PCにPremiere及びMediaCorderがインストールされていることを確認してください。
MediaCorderはPremiereをインストール時に自動的にインストールされていると思います。
プロキシ作成から利用の手順
- プロジェクトを作成
- 設定からプロキシの有効化を行う。編集→環境設定→一般から開き、項目のメディアから「プロキシの有効化」にチェックを入れる。
- メディアブラウザーからプロキシを作成したい動画を読み込む
- プロジェクトモニターから動画を選択して右クリックしてプロキシ→プロキシを作成を選択する
- エンコード設定で形式とプリセットを選択します
- MediaCorderが自動で立ちあがる
- エンコードが開始される
- プログラムモニターの+を押してボタンエディタを出して「プロキシの切り替え」ボタンをドラッグする
- プロキシの切り替えボタンを押して有効化
プロキシ作成ができない時
プロキシ作成を上の手順通りにやっても作成できないことがあります。
その場合はPremiereの画面枠右下の三角!マークを選択するとエラーコードが表示されます。
このコードをみて原因を探ってみてください。
よくある原因
H.264は4チャンネルオーディオをサポートしていない!
画面キャプチャー+マイク録音などを行うと画面上に流れている音声とマイクの音声が録音されることになります。多くの場合音声はステレオで録音されるので、2×2=4音声が動画上に存在することになります。
このような4チャンネルオーディオの動画はPremiereでH.264の形式で変換することができません。
したがって、このような動画はQuicktime形式で変換しなければなりません。
形式の違いは?
H.264とMOV形式が用意されています。H.264はファイルサイズが小さいため、ディスクスペースが少ない、あるいは長時間動画、低画質動画などには向いていますが、圧縮率が高くCPUへの負荷がそれなりにかかってしまいます。4Kなどの高解像度動画など場合はH.264よりもMOV形式のcineformなどが良いと思います。
H.264
H.264は現在広く使われている動画圧縮方式です。
オプションには3つありそれぞれ
- Low:解像度1024x540、ビットレート:VBR10~12Mbps
- Midium:解像度 1280×720、ビットレート:VBR10~12Mbps
- High:解像度:1536×790、ビットレート:VBR10~12Mbps
となっています。音声はAAC320bpsです。
Quicktime形式(.MOV)
MOV形式は動画や音声の圧縮形式をまとめて格納する箱のような形式で、H.264のように圧縮形式が定められておらず、mpeg2やH.264などを選択することができます。PremiereのMOV形式ではProres、Cineform、DNxHDが選択できます。これらの形式は動画編集で利用される中間コーデックであり、編集後にはH.264なり用途により高圧縮な圧縮形式に変換します。3つの形式はどれもCPUへのデコード負荷を下げるために圧縮率は低めになっています。ファイルサイズはProres < Cineform < DNxHDの順に大きくなります。
圧縮率が高いほど、動画のファイルサイズは低下しますが、その分動画再生時に圧縮をもとに戻すためにCPUの大きな計算が必要になることが多いです。
Prores
Prores (Prores422)はAppleが開発した動画の不可逆圧縮形式で動画編集用に使われます。高画質な状態で編集できるのが利点です。
Prores形式もH.264と同様にLow, Medium, Highの解像度の違いがあります。ビットレートに関してはH.264よりも高く、30Mbps程度に達します。プロキシとして利用する場合はそこまで高いビットレートは必要ないかもしれません。音声のビットレートも高いです。同じ解像度でH.264と比較すると10倍くらい違います。
参考 Prores形式について AppleApple Support
Cineform (Go Pro Cineform)
CineformはGoproに買収されたcineform社によって開発されたオープンソースな不可逆圧縮形式です。動画編集などの中間圧縮形式でproresなどよりも古くから利用されていて、圧縮率が高く、高速であることが特徴です。cineformは不可逆的な圧縮形式ですが、見た目ではほぼロスレスであるといわれています。
ビットレートは80Mbpsに達し、H.264で圧縮したよりもかなり大きいサイズになります。動画のソースファイルが非圧縮や低圧縮な大容量ファイルなどでは圧縮の恩恵を受けることができると思います。同じく低圧縮でCPUへのデコード負荷が小さいHAPQ形式よりも品質は高いという評判があります。
DNxHD
DNxHDは古いため多くのソフトで利用できる可能性が高いです。cineformやProresと比べて大容量のファイルになりますが、CPUへの負荷は低いようです。