通信はAからBなどに情報を伝達することです。
この通信の仕方にもいくつか種類があります。それが「ブロードキャスト」と「ユニキャスト」です。
今回はブロードキャストとユニキャストの違いについて解説します。
ブロードキャストはラジオ放送
ラジオの放送はラジオ局からリスナーへの通信と捉えられます。
ラジオ放送は特定のリスナーだけでなく、ラジオを視聴するみんなにデータを送信しています。
このように「1対複数」の通信を「ブロードキャスト」といいます。
同ネットワーク内の端末から同じネットワーク内の別のすべての端末に通信するときは「ブロードキャスト」です。
マルチキャストは有料放送
ブロードキャストと似た表現に「マルチキャスト」があります。
マルチキャストもブロードキャストと同じく「1対複数」の通信ですが、同じネットワーク内のすべて端末と通信しません。一部の複数の端末と通信することをマルチキャストといいます。
マルチキャストは衛星放送やhuluのように課金している一部の人しか通信できない有料課金放送みたいなものですね。
ユニキャストは糸電話
ユニキャストは最もシンプルな通信です。
「一対一」の通信がユニキャストです。
ある端末から特定のある一つの端末に通信する方法です。糸電話をイメージするとわかりやすいかもしれません。
ブロードキャストアドレス
通信では相手の住所に当たるMACアドレスやIPアドレスなどを指定して通信します。
「ブロードキャストアドレス」とは同ネットワーク内に存在するすべての端末に通信するためのアドレスです。
MACアドレスのブロードキャストアドレス
機器固有のアドレスであるMACアドレスは通信において最終目的地であるIPアドレスの端末に至るまでの間の機器(ルーター等)を特定し通信するために使われます。
ネットワーク内でIPアドレス「192.168.0.11」を持つMACアドレスを調べたいときには「ARP」を使います。ARPはネットワーク内にある全ての端末に「192.168.0.11のIPアドレスを持つ機器はMACアドレスを教えて!」という通信をします。この時該当するIPアドレスを持つ機器は通信してきた端末に対してMACアドレスを書いて返答します。
このARPの仕組みでは最初にネットワーク内すべての機器に対してARPリクエストを送信しています。つまりブロードキャストです。
この時に送信先のMACアドレスはネットワーク内のすべての機器であるため、MACアドレスのブロードキャストアドレスを使います。
MACアドレスのブロードキャストアドレスは「FF-FF-FF-FF-FF-FF」です。このブロードキャストアドレスを使えばネットワーク内の全ての機器に対してARPリクエストが届きます。
先ほどの例のARPリクエストでは「IPアドレス:192.168.0.11, 宛先MACアドレス:FF-FF-FF-FF-FF-FF」というような内容で送信しています。
IPv4におけるブロードキャストアドレス
新しいIPv6にはブロードキャストアドレスはありませんが、IPv4にはあります。
IPv4においては、ネットワークアドレス部とホストアドレス部のうち、ホストアドレスに該当する部分を2進数に変換したときに1にしたアドレスがブロードキャストアドレスになります。
ネットワークアドレスとホストアドレスを分けているのはサブネットマスクなので、サブネットマスクを確認してどこからどこまでがホストアドレスなのかを調べます。
IPアドレスのブロードキャストアドレスを使って通信すると同じネットワーク内にあるすべてのIPアドレスに向けて通信が行われます。