メールの送信はSMTPで行います。
受信はPOPやIMAPで行います。
POPとIMAPとは?
メールの受信に関わるプロトコルは二つあります。
- POP :Post Office Protocol ポップ
- IMAP : Internet Message Access Protocol アイマップ
両者にはメールの取り扱い方に違いがあります。
POPの仕組み
POP(Post Office Protocol)はSMTPサーバーから送信されたメールを受信し、メールクライアントに渡す役割を担います。POPサーバーは110番ポートを使用します。暗号化するにはPOP over SSLを使います。ポートは995番を使います。
POP3と呼ばれることもありますが、POP3はPOPのバージョン3という意味で現在はPOP3を使うのが普通です。
POPサーバーの特徴はメールをメールクライアントを通して端末にダウンロードして閲覧するという点です。これがIMAPとの違いです。ダウンロードする際にPOPサーバーのメールを削除せずにコピーしてダウンロードすればほかの端末からもPOPサーバーからメールをダウンロードして閲覧することができます。
メールクライアントがPOPサーバーに接続する流れは
- メールサーバー(POPサーバー)にTCP110番で接続
- メールサーバーが応答
- 認証(ユーザーとパスワード)
- listコマンドでメール一覧を取得
- retrコマンドで指定したリスト番号のメールを取得
IMAPの仕組み
IMAP (Internet Message Access Protocol )もPOPと同様にメールの受信に関わるプロトコルです。ポートは143番を使います。メールの盗聴を防ぐために暗号化したい場合にはIMAP over SSL(IMAPS:993番)を使います。
IMAPではPOPと異なりIMAPサーバー上に保管された状態でメールを閲覧します。メールクライアントにダウンロードしないので複数の端末からメールを見ることができるメリットがあります。しかし、メールが満杯になってメールサーバー上の容量を超えるとメールが受信できなくなる欠点があります。
また、IMAPサーバー上のメールを削除すると端末にはメールはなくなり、見ることができなくなるので注意しましょう。
メールの送受信の仕組み
メール送信プロトコルであるSMTPとPOPの動きをもう少し詳しく見ていきます。
メールは送信者側のSMTPサーバーからメールアドレスの宛先メールサーバーに向けてメールが送信されます。メールを受け取ったSMTPメールサーバーはアカウントユーザーのメールボックスにメールを配送します。POPサーバーはこのメールボックスからメールを取り出してPOPを使ってメールクライアント(ユーザー)に配送します。これがメールの仕組みです。下図ではオレンジ枠内は同じマシン内を意味し、受信メールサーバーにはSMTPサーバーとPOPサーバーが共存している状況です。